
アコギ1本にマイク1本。
なめらかなでメロディアスなギターに合わさるのは、イントネーションが特徴的な日本語のラップ。
正直大衆受けするようなアーティストではないし、自分は彼らの曲から元気がもらえるのかというと実はそういうわけでもなかったりする。
ではどうして自分はこんなにもMOROHAに魅せられているのだろうか。
MOROHAとの出会い
初めて聴いたのはあるフェスで飲食ブースに並んでいた時。
自分の目を引いたのはイントロから流れるギターの音。
スラム奏法っていうのか弦をはじきながらギター本体をたたいたりして曲にリズムをつける。
ギター1本でこんなにも音楽になるんだって感動した。同時にそれに重なってくるラップが邪魔だと感じたのもよく覚えている。
ギターの音をよく聞こうとして耳を傾けてもさらに大きくなるのは歌声ばかり、それまで一度も聞いたことがなかったのになんて言ってるかがよくわかってしょうがなかった。
家に帰ってからも頭の中にはあの特徴的な歌声がずっと残っていて、家族の前で小ばかにしたように真似して歌ったりなんかしていた。
あとはあの難解なギターを弾いてみようとしたりして、もちろん弾けるはずもなくそのたび凄さを実感する。
そんなこんなしているうちに自分が少しずつMOROHAの音楽的なところにはまっていったのは事実で、ライブハウスに足を運ぶのに時間はかからなかった。
[rakuten id="book:19112849" kw="MOROHA BEST~十年再録~ MOROHA"]
ライブで見えた彼らの人生
初めてMOROHAのライブに行くとなったとき、いったいどんな盛り上がり方をするのか気にしながら会場に入りいよいよライブが始まる。
それまでライブをエンターテインメント的な視点で見るのが当たり前と感じていたせいか、その日のライブは中々に異様な光景に見えた。
登場曲なしに登場してくるMOROHA。
曲が始まっても客は微動だにせず、MOROHAをにらむように見つめる。
殺し合いでも始まるのだろうか・・・
曲は知っているものも知らないものもあったけれど、何を言っているかは聞き取ることができる。
そのうち自分はドキュメンタリー映画を見せられているような気分になってきた。
これはMOROHAの曲の特徴でもあると思うけど、 上京した時の歌や失恋した時の歌など 、基本的にマイクを握るMCアフロさんの人生をそのまま歌詞にしているようなものが多い。
人によっては歌詞に共感できる人もいるんだろうけど、まだ18年しか生きていない僕にとってそのライブはMCアフロのドキュメンタリー映画を見ているようだった。
ふと周りの観客を見てみた。
若い女の人からおじさんまで、真顔の人、笑顔を浮かべる人、泣いている人、たくさんの表情がそこにあった。
「この人達はMOROHAの曲を聴いてどんなことを感じているのだろうか、今までどんな人生を歩んできたんだろう」そんなことを考えたとた時にMOROHAの魅力を一番感じた気がする。
まとめ
最後に、数ある曲の中でもライブ中に初めて聴いて鳥肌が立ったフレーズがあるので紹介したい。
MOROHAで一番好きな歌詞だ。
声を揃えて なんて 歌われてたまるか
誰とも揃わねえ 俺だけの歌だ
笑顔なんてやめろよ 真顔にこそ用がある
五文銭/MOROHA
ここまで書いてきた文章を読んで、自分が結局MOROHAの何に魅せられているのかよく分かっていないかもしれないという事が分かった。
ライブに行けば印象が全然違うなんてことは言わないけれど自分はライブハウスの中でMOROHAの素晴らしさを一番感じた。
少しでも興味がある人は見に行って見てほしいと思う。