東京事変『閃光少女』の歌詞を考察!「今を生きる」ということ

今回は、東京事変のアルバム「スポーツ」に収録されている曲『閃光少女』の歌詞を読み解いていきたいと思う。

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「今」の大切さ

今日現在(いま)が確かなら万事快調よ
明日には全く憶えて居なくたっていいの
昨日の予想が感度を奪うわ
先回りしないで

今日現在(いま)を最高値で通過して行こうよ
明日まで電池を残す考えなんてないの
昨日の誤解で歪んだ焦点(ピント)は
新しく合わせて

閃光少女/東京事変

この曲を通して強く伝えられているのは「今を生きる」事だ。

現在が良ければ他は何も考えなくていいし、そのことを明日には覚えていなくたって構わない。昨日のことを考えてもいけないし、先回りして明日のことを考えてもいけない。

こんなふうに、とにかく「今」が大切だと言うことを伝えている。

現在と書いて「いま」と読ませるところがとても面白い。

この曲を聴いて改めて「いま」ってなんだろうかって考えてみたけれど、考えるほどに分からない。だんだん「いま」って言う響きが面白く聴こえてくる。

写真機はいらない

今日現在(いま)を最高値で通過して行こうよ
明日まで電池を残す考えなんてないの
昨日の誤解で歪んだ焦点(ピント)は
新しく合わせて

切り取ってよ、一瞬の光を
写真機は要らないわ 五感を持ってお出で
私は今しか知らない
貴方の今に閃きたい

閃光少女/東京事変

「歪んだピントは新しく合わせて」と伏線を貼ったところで、「切り取ってよ、一瞬の光を」に続く。

次に、じゃあ何で切り取るの?ピントを合わせるんだからカメラなのかな?と無意識に意識したところで、「写真機は要らないわ」と裏切られる。

ピント合わせるのにカメラじゃないんだ!

この感じが何回聞いても堪らない。文章の流れが詩的でさすが椎名林檎と感心する。

「写真機は要らないわ、五感を持っておいで」というこの部分にいくつものポイントがあって、まず感じるのは「要らないわ」と「持っておいで」の2単語が美しく対をなしてリズムを生み出しているという点。

この辺りの丁寧な言葉遣いは椎名林檎特有のものだと思う。

そして「五感を持っておいで」と言う表現。これがこの曲のテーマである今を生きることに深くつながっている。

個人的には「カメラを構えるその一瞬すらもったいないよ」みたいなニュアンスを感じる一節だ。

サビを締め括る「私は今しか知らない、あなたの今に閃きたい」は、「閃きたい」が特に耳に残る言葉だ。

閃くの意味は「一瞬鋭く光ること」。この「一瞬」が曲にとって一番重要なポイントであり、だからこそ曲名が「閃光少女」なのだと思う。

永遠に閃く

今日現在(いま)がどんな昨日よりも好調よ
明日からそうは思えなくたっていいの
呼吸が鼓動が大きく聴こえる
生きている内に

焼き付いてよ、一瞬の光で
またとないいのちを 使い切っていくから
私は今しか知らない
貴方の今を閃きたい
これが最期だって光って居たい

二番では、一番とはまた違ったスケール感で歌詞が綴られていると感じる。

ぱっと見ると、一番の繰り返しのように見える二番の歌詞は、「焼きついてよ、一瞬の光でまたとないいのちを使い切っていくから」の一節が入ることによって全然違ったものに見えてくる。

一瞬の光でいのちを使い切るという言葉からは、これまでの解釈とは逆で「死ぬまでの人生は一瞬」と解釈することができる。

一瞬のことを歌っている曲なのに、同時に永遠のことも歌っているように取れる歌詞。

これが「スケール感が違う」と表現した理由だ。

この曲のテーマは「今を生きる」ことで間違い無いが、その「今」が「人生」と結びつくのが最終的なテーマとなって表現されている。

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