ルカ・ユパンキ『Sounds of the Unborn』〜胎児の奏でる音楽〜

ポイント
  • お腹の中で胎児が奏でた音楽
  • 奇妙で神秘的な世界観
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知性も感性もない、本能のままに

サイキック・イルズのベーシスト、エリザベス・ハートとリー・ペリーのコラボレーター、イヴァン・ディアス・マテが、胎児が作り出した震動をMIDIに変換しシンセサイザーに流し込み、世界で初めて胎児が制作した音を作品化。

そんな紹介文に興味をそそられてしまった。

いまいちピンとこないかもしれないので簡単に解説すると、赤ちゃんの生み出す振動をそのまま音楽にしてみたというアルバムらしい。

MIX作業はアーティストである両親の手で行われているが、できるだけ音楽への介入は避けたとのこと。

1曲目を聞いた時、音楽の奇妙さもあってか、なにか禁忌に触れてしまったような気分になる。

その気分はなんとなく晴れないまま最後10曲目まで聴き終えたところでふと思う。

そこには宇宙が広がっていた。

これは、「人類にはまだ理解が及ばない」というような比喩表現であるのと同時に、音楽的な感性からしても「宇宙」を感じるのだ。

具体的には伝えられないけど、私たちのイメージする「宇宙の音」がアルバムの至る所で鳴っている。

その広大な宇宙の音を一人の小さな胎児が生み出していると考えると面白いし、それがこのアルバム1番の魅力だ。

子供を持ったことのある方はより強い何かを感じたりするのだろうか。

知性も感性もない、本能と命がただ彷徨っている。そんな作品だった。

最後に、正直アンビエントとしては何度も繰り返し聴けるようなものではなかったので、胎児が音を奏でるという発想とその実験の様子を楽しむような作品だと思う。

作品情報

作品名Sounds of the Unborn
作者LUCA YUPANQUI(ルカ・ユパンキ)
レーベルビッグ・ナッシング / ウルトラ・ヴァイヴ
発売年2021年4月7日
収録01.V5
02.V4.3 pt. 2
03.V2.1
04.V2.2
05.V3.2
06.V4.2
07.V4.1
08.V1
09.V3.1
10.V4.3 pt. 1

母親であるエリザベス・ハートのお腹に機器を取り付け、胎児の振動をMIDI信号に変換することで音楽が作られている。

音楽の編集・MIXには両親自らが携わり、本来の音にできるだけ介入しないように作り上げられた。

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