崎山蒼志『find fuse in youth』【感想・レビュー】

【収録曲】

1.Undulation

2.Heaven

3.鳥になり海を渡る

4.花火

5.そのままどこか

6.waterfall in me

7.目を閉じて、失せるから。

8.Samidare

9.回転

10.観察(interlude)

11.ただいまと言えば

12.Repeat

13.find fuse in youth

崎山蒼志『find fuse in youth』

2018年、ネット番組で披露された「五月雨」の弾き語りで、世間の注目を集めたシンガーソングライター「崎山蒼志」。

圧巻のギターテクニックと独特な感性で綴られる詩が魅力の彼が、メジャーデビューアルバム『find fuse in youth』をリリースした。

これまでの弾き語りスタイルだけに留まらない、たくさんのアレンジがなされており、新たな挑戦が伺える素晴らしい作品だった。

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楽曲が生きるアレンジ

賛否両論あるかも知れないが、自分は楽曲のバンドアレンジがとても気に入っている。

もちろん弾き語りの持つシンプルさとオリジナリティは魅力的だ。例えば3曲目の「鳥になり海を渡る」は全編弾き語りの1曲だが、細かいギターのストロークと独特の歌詞がマッチした良曲に仕上がっている。

彼の楽曲はもともと、バンドサウンドに飲み込まれないパワーとオリジナリティを持っているし、むしろ曲の持つポテンシャルにサウンドが追いついたような感覚があった。

「Heaven」は『ジャンプしてずっと 嫌いなものから』の様に、歌詞がとてもいい曲。

今回のアレンジでは、サビが特にキャッチーで歌詞もすんなり入ってくる感じがたまらなく良い。

「そのままどこか」は、ストリングスとピアノのアレンジが叙情的な雰囲気を際立てる。どんな楽器の組み合わせでもうまくハマる事が出来るのが、アコースティックギターの特徴良いところだ。

アレンジの面で、最も注目してほしい楽曲はやはり「Samidare」だろう。

ダイナミックにアレンジされていて、曲の緩急もわかりやすくなっているんだけど、元々そこにあったものであるかの様に馴染んでいる。

ギター1本の時の「五月雨」より、崎山蒼志がフォーカスされているように感じるのは不思議だ。

アルバムを通して、どのアレンジもJ-POP色が強く、掴み所を多くした様な印象があるが、曲の魅力を遮ることは決して無い。

そんな良いアレンジも加わり、彼の曲は「完成形」になった訳なのだが、さらに挑戦していく姿勢が伺えるのが今回のアルバムの面白いところだ。

完成形からの挑戦

アルバムの中でも打ち込みを用いられた3曲。

こんなにもの打ち込み楽曲をアルバムへ収録することを誰が予想しただろうか。少なくとも自分は全く予想していなかった。

しかも単に打ち込み楽曲と言うだけではない。とても実験的な音楽なのだ。

「waterfall in me」や「目を閉じて、失せるから。」は特にそう感じる。

「waterfall in me」は、自分の声を加工して重ねる、曲の中盤からリズムと雰囲気をガラッと変えるなど、面白い事をたくさんしている。

最近のメジャーアーティストには、この様な実験的な音楽を作るイメージが無かっただけに、とても驚かされた。

すでに自分のスタイルを確立しているにも関わらず、この様なチャレンジをするところに、彼の持つアート性を感じる。

これは個人の好みだけれど、10曲目「観察(interlude)」の様なギターインストの曲がとてもかっこいいのでこれからも精力的に作ってほしいと思う。

まとめ

崎山蒼志のメジャーデビューアルバム「find fuse in youth」は才能を生かすアレンジと彼のチャレンジ精神の詰まった素晴らしい1枚だった。

これからも圧倒的な才能と、チャレンジ精神を世間に見せつけていってほしいと思う。

そしてライブに行きたい。

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