自分にとってヤバTは、そこまで本気で追いかけてはいないのに、何となくどの曲も聞いたことがあるし気づいたら口ずさんだりしている不思議なバンド。
面白い歌詞で底抜けにキャッチーなヤバTの音楽だからこそついつい口ずさんでしまうのだ。
そんなヤバTが、新作「You need the Tank-top」をリリースしたとのことなので早速聴いてみた。
「珪藻土マット」に吸い込まれた私の心
アルバムの序盤から、ヤバTらしいシュールな歌詞とノリのいい音楽が続いてとても楽しいなと思って聞いてたら、4曲目の「珪藻土マットが僕に教えてくれたこと」で一気にアルバムに引き込まれてしまった。
いや、吸い込まれてしまった。
18の自分が言うのはどうかと思うけど、「10年くらい前にめっちゃ流行ってそう」っていうあるあるの曲調の感じがすでに面白いし、後ろになってるコードもエモーショナルな響きを出しているだけに、歌詞とタイトルの温度差がまた面白い。
そして歌詞に共感できます。
珪藻土マットって一見よさそうに見えるけど、実際あれ使いずらいし家でも一瞬で使われなくなってしまった。
ヤバTは「なんかそういう曲あるよね」って奴を作るのもうまいなって改めて思った。
さらに沼にはまった「sweet memories」
続いて5曲目の、「原付~法定速度の範囲で~」もサビがキャッチーで疾走感があってとっても良かった。
そして次の「sweet memories」が1番のキラーチューン!
なんか一番まともそうなタイトルしといて確実に一番ヤバい曲。
伴奏自体はめっちゃ好きなメロコアの2ビートの感じ。この曲のヤバさは歌詞を読めば一発で分かると思う。
まずは1番のサビで、
忘れもしないな 小学5年の秋頃の話
家に帰ろうとして下駄箱の方に向かったら
sweet memories かわいいあの子が
この後に誰が予想するだろうか「放課後に俺の上履き食べてた」って・・
その狂気的な感じに思わず爆笑してしまう。
と思ったらその後、
授業中、鉛筆、消しゴム
かじったりするタイプの子やし
別に上履き食べるのもわりかし
なんか受け入れられた
受け入れられるんかい!
それよりも僕は、「わりかし、なんか、受け入れられた」っていう言い回しがツボに入ったんですけど。それでも少し引きずってる感じがするから。
とにかくこの曲を聴いた時、このアルバムのさらに奥地へ足を踏み入れてしまったような感覚になった。
そしてヤバTの中で一番好きな曲になったかもしれない。
バリエーション豊かなアルバム
8曲目の「NO MONEY DANCE」は、それこそ底抜けにキャッチーな曲でシンガロングがめちゃ楽しそうな曲だなと思って。「税金ばり高い!!!(Yeah!!!!)」とか、脳みそとろけてそうで最高に好き。
10曲目の「日本の首都、そこは東京」は、電子音を使ってディスコ風の音楽になっていたり、「はたちのうた」と「癒着☆NIGHT」はヤバTの王道曲という感じのするシンプルさを持っていたり、最後の「寿命で死ぬまで」はエモだったりと、アルバム全体を通してみるとバリエーションが豊かだなと思う。
全部の楽曲でしっかりツインヴォーカルが生かされてるのもとても良かった。
まとめ
これまでの作品をあまりじっくりとは聞いていなかったけど、今までで一番クオリティが高かったのではないかと個人的に思った。
そして聴いててすごく楽しい気持ちになった。本当にいいアルバムだと思う。
次にライブを見る機会を楽しみにしていたいと思う。
【他のレビューを見る】
https://kei-ongaku.com/entry/category/%e9%9f%b3%e6%a5%bd/%e6%a5%bd%e6%9b%b2%e3%83%ac%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc/