Water from Your Eyes(以降WFYE)は、ニューヨークで活動するアンチポップユニットということなのですが、、
そもそもアンチポップとはなんですか?という状態で、WFYEのアルバムを聴くのは今作が初めてでした。
これは決して酷評というわけではなく、もし友達の前で「それ何聞いてんの?」と聞かれたら、反射で「ん?よくわかんない」と答えてしまいそうな作品。ただ、それこそがこのアルバムが魅力的に映るところだなあと感じました。
ジャンルもリズムも垣根が曖昧で
過去作品までじっくり聴いたわけではないんですが、今作は過去作品よりもリズムを曖昧に、アンビエント的に音を鳴らしていることが多いように感じます。そして、過去作品に片鱗が見られるように、ジャンルの垣根も曖昧。
パーカッションを使わないことで、音の広がりというか深みみたいなものが表現されている、かと思えばシームレスにジャンルを飛び越えて重めの電子音とパーカッションが食い込んできたりと、アルバムを通してどんな展開をしていくのかが予想できません。
一見ただのごちゃついたアルバムではないかと思う自分がいても、気がつけば心を無にしてただ音にノリノリになっている自分がいたり。
細かなところまで繊細に作られ、複雑に重なり広がる音の飽和状態のなかに溶け込むことのできる最高の時間を味わいました。
今作で初めて出会ったWFYEは、自分の中で今後要注目のアーティストになりました。
作品情報
作品名 | Everyone's Crushed |
作者 | Water from Your Eyes |
レーベル | Matador Records |
発売年 | 2023年5月26日 |
収録 | 01.Structure 02.Barley 03.Out There 04.Open 05.Everyone's Crushed 06.True Life 07.Remember Not My Name 08.14 09.Buy My Product |
ニューウェーヴ、サイケ、インダストリアル、ポエトリー、アンビエント、フォーク、エレクトロニカ、クラウトロックと曲によって何が飛び出してくるか予測不能なアンチ・ポップ・スタイルで大きな注目を集めるブルックリンのデュオ、Water From Your Eyesが名門〈Matador〉と契約を交わし、移籍第一弾となる最新アルバム『Everyone’s Crushed』をリリース!!