ロックの歴史

【ロックの歴史】労働歌から音楽へ、ブルースの誕生

現代まで続くポピュラー音楽の先駆けとして「ブルース」という音楽ジャンルが誕生したのは、今から100年以上前の19世期後半のことだと言われている。

「ブルース」とは、孤独感や悲しみを表現する独唱歌であり、悲しみや孤独の感情は、英語ではしばしば「ブルー(blue)」の色でたとえられることに由来している。

ブルースの誕生

ブルースが誕生する上で、1865年の奴隷解放の影響が大きい。

それまで白人の奴隷として働いていた南部の黒人たちは、奴隷制から解放され自由を手に入れたはずが、黒人差別はまだまだなくならない上に自立した事によって経済的な厳しさは増す。

そして小作農として雇われた人たちにとってはそれまでの奴隷生活とさほど変わらないような状況が続く。

ただ一つ明確に変わったところとして、少しでも自由な時間ができたところ。

この自由な時間を使って黒人にとって身近だったギターを片手に歌い出来上がったのが「ブルース」になってくる。

労働歌からブルースへ

フィールドハラー(農作業の際の叫び声)や、ワーク・ソング(労働歌)、※1黒人霊歌(スピリチュアル)などから発展して出来上がったのがブルースとされている。

※1 黒人霊歌(スピリチュアル)はのちにゴスペルというジャンルに発展していく。

黒人霊歌で歌われた「神への祈り」だったり「労働のための掛け声」は、基本的には集団のアカペラで歌われることが多かった。

酷い人種差別に悲しみや孤独感を感じ、それを伴奏を伴って歌ったのがブルースになる。

ブルースの音楽的特徴

ブルースは孤独や悲しみ(ブルーな気持ち)を歌った曲であるというのが前提として一つ。

日本の曲名に使われている「ブルース」はどちらかというと音楽的な部分よりも、こういう精神的な面での表現が多い。

この曲はロバートジョンソンというアーティストの「Sweet Home Chicago」という曲で、「懐かしのシカゴへ行かないか」的な歌。

個人的に聴いていてブルースのイメージにぴったりの曲だと思う。

ブルースの音楽的特徴

簡単にいうと同じことを繰り返すような音楽。

少し詳しくいうと、A・A・Bという4小節ずつの計12小節をワンコーラスとして、それを曲中ずっと繰り返し歌うようなイメージ。

リズムも特徴的で、それまでの音楽にはみられなかった、ズッチャズッチャというような弾んだリズム(シャッフルと呼ばれる)が使われている。

まとめ

  • ブルースは黒人の間で生まれた音楽
  • 悲しみや孤独を歌っている
  • その時代背景には奴隷解放と黒人差別があった。

さらにここからブルースはアメリカを中心に発展していく事になる。

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