最近Netflixに加入たのでいろいろ映画を見てみようと思った矢先に見つけたこの作品。
何となくあらすじを見てみたら滝を見に行ったおばちゃんたちが山で遭難する話だって!?
これは見るしかなかった!
【視聴後の一言メモ】
山の中でおばさま達がサバイバルするシュールな作品。
紅葉の綺麗な絵が続き、挿入歌はのどかなクラシック。
自分ももし遭難した時には隣におばちゃん達がいれば生きて帰れそうな気がする。
お気に入り度:★★★☆☆
作品情報
2014年製作/88分/G/日本
配給:松竹ブロードキャスティング、ピクニック
監督:沖田修一
脚本:沖田修一
製作:井田寛/前田直典/小笠原高志/重村博文
企画:深田誠剛
出演:根岸遙子/安澤千草/荻野百合子/桐原三枝/川田久美子
解説
おばちゃん7人が山で遭難するドタバタパニックコメディ映画。
監督は「南極料理人」「横道世之介」などを手掛けた沖田修一。
なんとこの作品、主要キャラのキャスト全員をオーディションで選んでおり中には、演劇経験の一切ない一般人も混ざっているらしい。
でも不思議と演技に違和感はなかった。逆に役にはまっていた気がする。
【あらすじ】
幻の滝を見に行くツアーに参加した7人のおばちゃんたち。
写真を撮ったりおしゃべりに花を咲かせたり、それぞれの楽しみ方で紅葉のひろがる山道を進んでいくが、ガイドの男性が先を見に行ったきり戻ってこなくなってしまう。携帯の電波も届かない山中に取り残されたおばちゃんたちは、食料も寝床もないサバイバル生活を送るハメになり……。
映画.comより
滝を見に行くの感想。【ネタバレ少し】
この映画をこれから見る予定のある人はぜひ前情報なしで見てみてほしい、ストーリが重視されている作品ではないが、その方が絶対に楽しめると思う。
おばちゃん7人が山で遭難、サバイバルするという今までにありそうでなかった面白い設定の映画。
結論から言うと面白かったし自分が好きなタイプの映画だった。
シュールな笑いのオンパレード
おばちゃんさえいれば特別な笑いの要素なんていらない。
見る人によるのかもしれないけれど、自分にはおばちゃん達の何気ない会話一つ一つがおかしくてしょうがなかった。
映画を見てるとたまに、「そんなこと絶対に言わねぇだろ」みたいな会話が登場することがあるけど、この映画はむしろその逆とも言えてまさにおばちゃんたちが言いそうなことだったりやりそうな行動を細かいところまで再現しているような感じがして好きだ。全部アドリブなんか?ってくらい自然ではある。

自分が特に好きなシーンは2つあって、1つはおばちゃんたちが草相撲で本気で盛り上がっているシーン。
何気なく始めた草相撲が盛り上がること盛り上がること。
勝ち残り形式のバトルが始まってそのまま1時間は少なくともやったんじゃないだろうか、あんたら遭難してるんやで?
映画の設定を忘れてしまいそうなワンシーンだった。
そして、火おこしのシーンが本当に大好きそこだけを見返しに行ったくらい。
火種を落ち葉やら枝木に移してたき火を起こすシーンなのだが、なかなか火がつかなくて見てるこっちまでハラハラしてくる。・・・かと思えば火がついて、おばちゃんたちが歓声を上げる。
自分にはそれが素の反応に近く感じられた。
単純に火が起こる事でテンションが上がったのだろう。その反応さえ面白くなってしまうのがすごいところだ。
その分、遭難したといえど終始ずいぶんシュールな画になってしまっている。
のどかな風景とクラシック
この映画の9割はのどかな森の風景の中で進んでいく。
ツアーの一環で滝を見に行くことになるおば様一行。
そこでいなくなったへっぽこガイドを探しに行って遭難する。
つまりほとんどが森の中にいるわけで、昼の森、夜の森、朝の森、渓流、生物。いろいろな森の表情を映画の中で見ることができる。
あまり意識はしていなかったけれど、そのきれいな情景に癒されていたと思う。
そして要所で流れるクラシックがまたいい味を出している。
クラシックといえば壮大な感じのイメージがあるけれど、作風にあった割とPOPな感じの選曲がマッチしていたように思う。
それぞれの悩み
遭難はしたけど明るくハッピーに乗り切ってて面白かったー。みたいな感じで紹介してきたけれど、その中にはちゃんと深いところもあって、それぞれいろんな悩みを抱えていたり、色んな事を乗り越えてこのツアーに参加しているという事。
大げさな感じに書いたけど、振られたばっかりだとか腰痛持ちだとか、旦那さんをなくしているとか、人間なら誰にだってありそうな悩みをおばちゃん達だって持っていて、そのもやもやが言い争いへと発展したりもする。
でもおばちゃんたちが強いのは、うじうじせずに今置かれている状況を全力で楽しんでいることだ。
その姿に見ている側も勇気をもらい、楽しむことができる。
シュールなものが好きな人にはお勧め
自分はシュールなものが大好きなんだけど、あまり展開がないものが好きじゃないという人にとっては本当に退屈な映画になってしまうのかもしれない。
実際レビューサイトでは賛否両論な感じだった。
おばちゃんたちのリアルな演技と、一つ一つの細かい言動で笑ってしまうこの作品はこれまでにあまり見たことがないほどシュールで面白い作品だった。